庶民は奇跡が大好きなのよ
「どうかしら。庶民は奇跡が大好きなのよ」ー権田原キレイ(初森ベマーズ)
ドラマ『初森ベマーズ』第8話より、権田原キレイのセリフです。
再開発により、主人公たちの憩いの場”初森公園”が取り壊されようとしていた。
それを必死で止めようとする主人公グループの前に、都市開発の会長の娘である権田原キレイより1つの提案を受ける。
「あなたたちの高校が私たちよりも(ソフトボール大会で)良い成績をおさめられたら、この公園の再開発、白紙にして差し上げるわ」
かくして、ソフトボール初心者の主人公たちが、力を合わせてソフトボール大会へと参戦する。
という、青春スポ根ドラマです。
全体的にコメディタッチで、少林サッカーのソフトボール版みたいなドラマなのですが、少年マンガのようにキャラクターがすごくわかりやすく、軽い気持ちで見れるとても楽しいドラマでした。
そんな中、本日取り上げたのは主人公の宿敵、権田原キレイの一言。
キレイはまさにお嬢様キャラ。
初登場も、主人公たちが初森公園を壊さないよう抗議している姿を見て、拍手をしながら「素敵なお話じゃない」なんて言うちょっと嫌味なくらいのお嬢様。
そんなキレイが、実はただのお嬢様では無い事が作中を通してわかってきます。
全12話中の第7話「キレイお嬢様の憂鬱」で明かされるのですが、キレイもまた、色々なしがらみを抱えているキャラクターであり、観る人が感情移入してしまうような、言わばベマーズのもう1人の主人公と言えるべき人物なのです。
そんなキレイを掘り下げた第7話の次話、第8話のセリフ。
キレイ側の高校での会話。主人公のチーム、ベマーズが大会を勝ち進んでいることに対して…
キレイ の父親「どうせ連中は次で負ける。奇跡はここまでだ」
キレイ「どうかしら。庶民は奇跡が大好きなのよ」
父親との確執から、「どうかしら」と父親への反論。
「庶民は」と入れる事によりお嬢様キャラを外さず。
ベマーズの実力を少し認めつつ、勝ち進んでいることを「奇跡」としている事は反対していない。
多くの要素をこの一言から読み取る事ができます。
そして多くの要素を詰め込みながら、一言で無理なく表現できているのが、ストンと私の心に落ちて来て、すごく記憶に残ったセリフでした。
セリフに多くの要素を詰め込もうとすると、つい長くなってしまいますが、短い一言で、そのキャラを外さずにストンと落とす事が、何気ない事のようですごく大事だなと改めて思えるセリフでした。
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