人を好きになるのに理由なんていりますか
「人を好きになるのに理由なんていりますか」—橘あきら(恋は雨上がりのように)
かなり久々になってしまいましたが、まだまだ好きなセリフがたくさんあるので時間のあるときに、ちまちま取り上げていけたらいいなと思います。
今回は最近はせがわが好きになったマンガ『恋は雨上がりのように』から主人公、橘あきらのセリフです。
感情表現が不器用な17歳の女子高生、橘あきらがバイト先であるファミレスの冴えない店長、近藤正巳(45)に恋をする。
という、内容としては何ともシンプルなラブコメです。
ソク読みさんの作品紹介文が何とも素敵だったので一部だけ引用させていただきます。
海辺の街を舞台に青春の交差点で立ち止まったままの彼女と人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす小さな恋の物語。
まさに、主人公のあきらちゃんは青春の交差点。
対する店長は45歳、人生の折り返しにさしかかった冴えないおじさんなのです。
「人を好きになるのに理由なんていりますか」
そんな青春まっただ中なあきらちゃんが、恋する店長に言い放ったセリフなのです。
あきらちゃんはとにかく店長が好きなのです。
対して店長は女子高生に好きだと言われる事が信じられないし、そんな事が考えられないのです。
まぁ、17歳が45歳を好きだと言ってくるんだから、当たり前ですよね…笑
自分の事を好きだと言うあきらちゃんに対して、店長は問うのです。
「俺なんかのどこがいいの?」
それに対してあきらちゃん
「人を好きになるのに理由なんていりますか」
このセリフの何が好きって、人を好きになるのに理由なんかないよなぁとちょっと感心してしまったのと、この一言であきらちゃんの若さというか、まっすぐな性格を描けてるなと。
彼女にとって、世間体とか、周りの目とか、先々のこととか、とにかくそういうのはどうでもいいんでしょう。
ただ、「店長が好き」という強烈な今だけを生きてるのです。
若さってそういう事なのかなぁと、表現の上手さ以上に感心してしまったのです。
「若さ」の表現って、セリフで表すと、安い若者言葉とか、ちょっと幼稚な考え方とかじゃなくて。
こういう、とにかくまっすぐで、恐れがなくて、強烈に「今」を感じる言葉が、キャラクターの「若さ」を演出してるんだなぁと思えたセリフでした。